知っておきたい!避難の妨げになる「正常性バイアス」と「同調性バイアス」

災害時に働く心理、「正常性バイアス」と「同調性バイアス」を知っていますか?

平時の時は心を守ってくれるふたつのこころの働きですが、避難を遅らせてしまう大きな危険をはらみます。

わずか数分の避難の遅れが命にかかわる大規模災害。あらかじめ知識を持って正しい行動を取ることが、あなたと周囲を救うはずです。

知っておきたい「正常性バイアス」

過去の先入観などから自分に危険が迫っているにもかかわらず、それを危険な状況と認識できないのは「正常性バイアス」が働くから。

「正常性バイアス」によって、例えば非常ベルが鳴っていても「点検だろう」「煙が出ていないから大丈夫」などと思い込んでしまい、危険と認識できません。

この「正常性バイアス」は、異常なことが起こったときに「大したことではない」と落ち着こうとする、いわゆる心の安定機能。

日常生活では不安や心配を減らしてくれる役割を持ちますが、災害発生時には避難を遅らせる原因になってしまいます。

知っておきたい「同調性バイアス」

「みんなが逃げていないから大丈夫だろう」…このように周囲の人の行動に合わせてしまうのは「同調性バイアス」が働くから。

「同調性バイアス」は、集団の中にいるとつい周囲の人と同じ行動をとってしまう心理。

日常生活においては協調性につながる心理です。

しかし、災害発生時に周囲がどんな行動をしているか様子をうかがっている間に避難を遅らせる危険性も

反対に、率先して避難する人がいれば、より多くの人を避難に導けるということです。

災害時に働くこのふたつの心理を知り、普段から意識を高めておくことが、逃げ遅れを防ぎ、防災・減災につながります。