いつ起きてもおかしくない「首都直下地震」。
その被害想定と大切な防災知識について

まだ記憶に新しい東日本大震災や熊本地震。

歳月が流れ、少しずつ地震の記憶が薄れてきている方も少なくないはずです。

いつ起きてもおかしくないと言われている「首都直下地震」についても、
危機感を持っているという方は実際どれくらいいるでしょうか?

しかし、今後30年以内に70%の確率で起こるとされる首都直下地震。

その被害想定は、東日本大震災を超える甚大なものであるとされているのです。

「首都直下地震」とは?

「首都直下地震」と聞いて、“東京を震源とした地震”というイメージを持っている方もいるようですが、実は東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城など南関東地域のどこかを震源として発生する、マグニチュード7レベルの大規模な直下型地震(内陸で起きる地震)のことを指します。

政府の発表によると、この「首都直下地震」の発生確率は「今後30年以内に70%」(2014年 地震調査委員会発表)。

一生のうち交通事故に遭う確率はおよそ50%というデータもありますから、この確率は決して軽視して良い数字ではありませんよね?

しかしながら、首都直下地震などの大震災は事前に防ぐことはできません。だからこそ重要になるのが日頃からの防災知識と備えなのです。

「首都直下地震」の被害想定はズバリ!?

首都直下地震が発生した場合、広範囲で震度6強から震度7の強い揺れに見舞われます。

想定される死者数は9,700人(揺れによる死者数約5,600人、火災による死者数約4,100人)、負傷者数はおよそ15万人

約30万棟の建物被害と、約517万人もの帰宅困難者が出ると予想されています(冬の夕方18時・風速8メートル/秒の発災を想定/2012年4月 東京都公表「首都直下地震等による東京の被害想定」)。

もちろん予測が、取り越し苦労ですめば良いですが、もし「首都直下地震」が発生したら…そう考えると、不安や恐怖が膨らむはずです。

事前に防ぐことができない自然災害。私たちが今できるのは、防災知識を高めること。そして最大限の準備をすること。それだけです。

地震による被害を抑える「自助」「共助」

災害発生時、被害を最小限に抑えるためには「自助(じじょ)」「共助(きょうじょ)」、そして「公助(こうじょ)」が、それぞれ連携することが重要です。

  • 「自助」:家庭で日頃から災害に備えたり、災害の発生が予想される場合には事前に避難したりする(自宅が無事であれば自宅にとどまる)など、自分自身と家族を守ること
  • 「共助」:地域やコミュニティ、組織といった周囲の人たちが協力して助け合うこと
  • 「公助」:消防、警察、自衛隊、役所といった公的機関による救助活動や支援物資の提供など、公的支援のこと

大規模な災害が発生したとき、「公助」の手が届くまでにはどうしても時間がかかります。

そのため、被害を最小限に抑えるためには、「自助」と「共助」がとても重要になってくるのです。